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2025/9/19

ドイツ経済ニュース速報

ザルツギターが水素製鉄プロジェクトを3年延期

独鉄鋼大手ザルツギターは現在進めている水素製鉄プロジェクトを先送りする意向 だ。グンナール・グレプラー社長(鉄鋼業界団体シュタール会長)がロイター通信 に明らかにしたもので、「経済と政治・規制の枠組み条件が2022年以降、大幅に悪 化した」ためと説明している。 同社は「SALCOS」という低炭素製鉄プロジェクトを本社所在地ザルツギターで実施 する計画。蒸し焼きにした石炭であるコークスを高炉で燃やす従来の方式を、還元 剤にグリーン水素を用いた方式へと改める。国と地元ニーダーザクセン州から総額 10億ユーロの補助金を受給することになっている。 プロジェクトは3段階かなる。グレプラー氏は、第1段階については計画通り27年上 半期に実施するものの、第2段階と第3段階については3年延期することを決定した と述べた。次期投資の決定を26年に下すとしていた従来の予定は28/29年に先送り となる。 ドイツではアルセロールミタルが水素製鉄プロジェクトの撤回を6月に表明した。 補助金を受給しても採算が取れないと判断したためだ。国内最大手ティッセンク ルップ・スティールの水素製鉄プロジェクトも状況が厳しい。