ヨーロッパの最新経済・産業ニュース・企業情報を
欧州経済の中心地ドイツからご提供

2025/5/12

ドイツ経済ニュース速報

バイエルが農業部門を再編、フランクフルト拠点は閉鎖へ

ライフサイエンス大手の独バイエルは12日、農業向け部門クロップ・サイエンスの生 産・研究開発事業を再編すると発表した。アジアの競合メーカーが後発製品を低価格 で販売し、市場が供給過剰に陥っていることを受けた措置。欧州で生産を続けても採 算が合わない製品から撤退するとともに、経営資源を革新性が高い分野に絞り込み差 別化を図る狙いだ。 これに伴い、除草剤の生産と研究開発を手がけるフランクフルトの拠点を2028年末で 閉鎖する。バイエルがドイツ国内の拠点を閉鎖するのは162年に上る同社史上初め て。同拠点の生産事業を独ドルマーゲン、クナプザックなど欧州の他の拠点に部分移 管し、残りの生産事業を売却する。研究開発事業についても、主要な活動をクロッ プ・サイエンス部門の本部があるモンハイムに移す。 フランクフルト拠点の雇用規模は約500人に上る。工場労働者の一部については、事 業を部分売却することで新たな勤務先を確保する意向。研究開発要員についてもその 多くがモンハイム拠点に異動すると見込んでいる。 ドルマーゲン工場では革新性の高い製品に生産を集約する。価格競争力のない製品か らは28年末までに段階的に撤退することから、従業員1,200人のうち200人が影響を受 ける。