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2025/1/21

ドイツ経済ニュース速報

水素パイプライン構築で欧・アフリカ5カ国が基本合意

ドイツ、オーストリア、イタリア、チュニジア、アルジェリアの5カ国は21日、北ア フリカで製造するグリーン水素を欧州に輸送するためのパイプライン「サウスH2回 廊」を構築することで基本合意した。同回廊は欧州連合(EU)で計画されている主要 な水素輸送パイプラインのひとつ。ドイツでは南部州への水素供給で大きな役割を果 たすことが期待されている。 サウスH2回廊は風力・太陽光発電を利用して北アフリカで生産されるグリーン水素を イタリア、オーストリア、ドイツに輸送するパイプラインで、総延長は3,500〜4,000 キロメートルに上る。半分以上を既存の天然ガスパイプラインの転用でカバーするこ とから、敷設コストを比較的低く抑制できる。すでにEUの「共通利益プロジェクト (PCI)」に選定されている。輸送能力は年163テラワット時(TWh)で、ドイツは 55TWhの供給を受ける意向だ。生産国となるチュニジアではすでに計10件の水素プロ ジェクトで基本合意が成立している。